住まいの豆知識 「カバー工法」主な屋根材の種類

「カバー工法」主な屋根材の種類  アスファルトシングル

アスファルトシングルとは?北米で定番の人気の屋根材

アスファルトシングルは、1903年にアメリカのミシガン州のヘンリーレイノルズの開発によって生まれ、火災保険会社のキャンペーンによって広まったと言われています。
日本やヨーロッパでは、屋根材といえば粘土で作られた「瓦屋根」が基本ですが、アメリカやカナダでは、アスファルトシングルが一般的な屋根材です。
全米の約8割の住宅屋根がアスファルトシングルが使用されており、ハリウッド映画の住宅シーンでもよく見かけます。

アスファルトシングルは、約100年以上前にカナダで作られた屋根材です。
フェルト紙の両面にアスファルトを塗布し、その表面に色の砂を定着させた素材です。
色の砂を定着させる理由としては、表面に傷が付きにくくするようにしたり、屋根材の細かい穴を埋めるといった役割があります。

アスファルトシングルは、デザイン性だけではなく、軽量性、防火性など、性能面でも優れており、日本で注目を集めています。
さらに、カッターやハサミなどで簡単にカットすることができるので、曲面などの複雑な場所でも使用可能です。

アスファルトシングルの耐用年数は20年〜30年です。
経年劣化した場合は、塗装や葺き替え、カバー工法などでメンテナンスできます。

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルのメリットは以下の3つです。

メリット①:割れ、錆びに強い素材

メリット②:デザイン性が高い素材

メリット③:軽量で耐震性が高い素材

「メリット①:割れ、錆びに強い素材」

アスファルトシングルは、アスファルト性の防水紙と石や砂で製造されているため「防水シート+屋根材」のようなイメージです。
素材が柔らかく、薄いシート形状のため、屋根瓦のようにひび割れの心配がなく、防水効果も高いです。また、金属屋根材のように錆びることもありません。

「メリット②:デザイン性が高い素材」

アスファルトシングルは、加工しやすいため、様々な形状の屋根に利用することができます。
アスファルトシングルの表面の砂の色をアレンジすることができるので、住宅の雰囲気に合わせて屋根素材の色を決めることができます。
デザインを凝りたいという人には、おすすめの屋根素材です。

「メリット③:軽量で耐震性が高い素材」

アスファルトシングルは、屋根瓦やスレート屋根と比較して、軽量性が高く、建物自体への負担を軽減することができます。
日本では年々多くなっている地震の影響で、耐震性の高さを評価されたアスファルトシングルの屋根が増えています。

アスファルトシングルは
屋根瓦の約5分の1程度の重さ。

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルのメリットは以下の2つです。

デメリット①:強風に弱い

デメリット②:耐久性が低い

「デメリット①:強風に弱い」

アスファルトシングルは、屋根瓦の5分の1の重さと非常に軽いです。
軽量性が高いことがメリットでしたが、時にはデメリットにもなってしまいます。
軽量性が高いことで、強風に弱く、破れたりする場合があります。
但し、屋根材が隣の家に飛んでも、破損などのトラブルがほぼありません。

「デメリット②:耐久性が瓦と比べて低い」

瓦の耐用年数が約50年に対して、アスファルトシングルの耐用年数は約20年〜30年程度です。
瓦と比較すると耐久性が低いです。
気温が高いと、熱による伸縮や紫外線の影響で劣化が早いこともあります。
逆に気温が低いことで、水分が中で凍ったりする場合もあります。
ただ、寒冷、熱帯、高湿といった気候が特徴のアメリカやカナダでも、アスファルトシングルが広く普及しているので、しっかりと施工されていれば大きな心配はありません。

アスファルトシングルの施行方法

アスファルトシングルの施工方法は以下の手順で行います。

【手順1】ルーフィング(防水シート)を貼る

【手順2】軒先キャップ・軒先板金を取り付ける

【手順3】アスファルトシングル屋根材をセメントの接着剤とシングル用の釘で止める

【手順4】棟を板金もしくは同質役物で仕上げる

まとめ アスファルトシングルは軽くてメリットが多い屋根材です

アスファルトシングルは軽くて、見た目もお洒落で、さらに工事費も抑えられる、コストパフォーマンスが高い屋根材です。
最近は古いコロニアル屋根を残したまま、そのままリフォームできる「カバー工法」で注目が集まっています。
屋根のリフォームが増えている日本では、ますます需要が高まるのではないでしょうか。

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